購入猶予にしたら?

〜“図書館が貸し出しを控えれば、新刊のうちに少しでも売れたのでは”という推測のもと、出版社や大手書店、作家らは「著者と版元の合意がある新刊について『貸し出しの1年猶予』を求める文書を、11月にも図書館側に送る予定」にしているとのこと。〜
というニュースについて、考えた。
最初に思い起こしたのは、経済評論家の○間○代氏が、ある著書で、自分の前回の新刊がなぜ売れなかったか?の理由を、同日に○きりん氏と○本○史氏の新刊が発売されていたから、と記していた記憶。
へえ、こういう発想もあるのか、と自分としては驚いたので、記憶していたのだ。
自分の商品のせいではなく、他者の商品に客が流れたから、という発想ね。
まあ、たしかに、テレビ番組で、視聴率が振るわない理由を、他局の裏番組に流れたから、とか、うちのパンが売れなくなったのは、隣にパン屋ができたせい、というロジックは成立するかも。
しかし、私はてっきり、出版社や大手書店の社員や、作家になるような人は、こどもの頃や若い頃に、図書館にお世話になった人ばかりなんだろう、と思っていたので(お世話になっていないかもしれないけれど)、「図書館のせい」って公言して、自分の心の中の、図書館にまつわる思い出かなにかが、傷ついたりしないのだろうか?と心配である。
思えば、たしかに図書館の新刊予約件数は、多いものは200を超えていた。200番目以降の人が読めるのは、二年後?という数だ。
以前住んでいた区の図書館では、「予約件数が多い本リスト」が館内に掲示されていて、そのリストの本に限っては、寄付を受け付ける、とあった。
私は、このリストの常連、宮部みゆきの新刊を買って、読み終えると、寄付していた。図書館には日ごろとてもお世話になっているし、と思って。
その私の行為も、新刊の売り手側にしたら売上妨害行為だったか。
しかし。
200人超の予約の受付管理をする図書館の労力って、けっこうタイヘンなのでは?とふと気がつく。(しかもそんな膨大な予約件数を持つ本はたくさん、年中あるのだ)
本来、図書館員の業務ではないような気がする。サービスという色合いが濃い。
これらの業務量を減らすことができるのなら、「貸し出しの1年猶予」の提案を、受け入れてみてもいいんじゃないだろうか。
「売れないのは「図書館のせい」」の真偽もわかることだし。
ついでに、一年間の貸し出し猶予ではなく、一年間の購入猶予でいいんじゃないですか?
一年たてば、私のように、一年前の新刊の寄付をする利用者もいると思うよ。
全国の図書館の新刊発売時の購入による売上は、新刊売上数の成績に、まったく影響がない規模なんでしょう?