持ち去り防止


以前、勤務先で、私に書類を渡しに来て、その場で私のボールペンを借りて書類を書き、そのままボールペンを持って立ち去ってしまう、という人がいた。
いつも立ち去った後に気がつくので、ボールペン一本を催促するのもケチかな、と思い、返却を要求しなかったのだけど。
しかし、三本続いて、持ち去りが続き、三本目は、使えるボールペンが尽きたため、私が文房具店へ出かけて買ってきたばかりの品だったので。
ついに、ボールペンを貸しても、持ち去られないには?と、真剣に考えることにした。
同じ部署内の人も意見を寄せてくれて、出た考えとは。(そもそも、大げさに語ることじゃないんだけど)
1:ボールペンに紐をつけて首から提げたままの状態で、貸す。
2:ド派手なデザインのボールペンを選んで、匿名性を排除して、持ち去りにくくする。
3:持ち去ろうという気が起こらない、みすぼらしい、あるいは使いにくいボールペンにする。
の3つ。
私がまず試したのは、3だった。
部署内の文房具棚を見ると、ボールペンの替芯の箱を発見。
仕事上の書類は、ほとんど数字の記入で済むので、気合を入れて字を書かなくてはいけないときのまっとうなボールペンは引き出しに隠しておき、仕事中は大部分を替芯だけで記入を試みる。うん、数字くらいなら、替え芯で書ける。
だって、ボールペンを持ち去る人って、突如現れるんだもん。でも、この替え芯なら、持ち去らないだろう。
私の予想通り、ボールペンを貸して、と言われて、私が手にしている替え芯を渡すと、なんとかそれで記入をし、か・な・ら・ず、返却をして立ち去った。やったあ。
しばらくして、たまたま個性的なボールペンを見つけたので、今、現在は、2の方法で持ち去りを切り抜け続けている。
それで、なんでこんなどうでもいいことを思い出したかというと。
先週泊まってたホテルにおける、宿泊客による共用品の持ち去り防止の対策も、123だったのよ。
1の例は、部屋バスのシャンプー・リンス・ボディシャンプーが、壁に固定された補充式ポンプだったり、ドライヤーも、設置コーナーに末端が固定されていたり。
浴場のパウダールームに置いてある化粧水や乳液も、ポンプ式で、ビンとテーブル面が接着されていたり。
2の例は、ホテル名が大々的に入ったスリッパや部屋着だったり。
3の例は、タオル類や、浴場設置のシャンプー類が、たぶん日本の女性が通常使っているものよりも質が劣っていたりとか。
泊まったのは一流ホテルではなく、お手ごろ価格のところだったんだけど、その価格帯のホテルにとっては、共用品持ち去り分の補充経費が、馬鹿にできない大きさだったんだろうなあ。
持ち去り防止策って、なんか、発想に共通点があるものなのね…と、ボールペンのことを思い出したわけ。
画像は、お部屋にあった、素敵なベッドサイドランプ。
さすがにこれを持ち去ろうという客は、いないでしょう。…いや、事実は常に予想を超えるとしたら、一年に1、2件は、あるのかな、もしかして。