スクランブル!

渋谷のスクランブル交差点が、世界的な観光名所になっているとのこと。
たしかに、交差点で、自撮棒をかかげた外国人観光客を目にする確率、かなり高い。
私、スクランブル交差点を渡るのは月に一回程度なんだけど、最近は、渡るたびに感動する。
八方から人が逆方向同士で行き交うのに、みんな、なぜこうもうまく、ぶつかることなく、すれちがえるのだろう?
ちなみに、着物で渡ったときも、ぜんぜん人にぶつからなかった。
19歳のときに初めてこの交差点を渡ったときはパニくっていたものだが、そのころよりもずっと、人々の渡る技術が向上している気がする。
お互いに、微妙にゆずりあう気配を働かせ、瞬時に進行方向を選ぶ反射神経、これができる日本人って凄いわ。
しかも、最近は、交差点の途中で、止まって撮影している観光客もたくさんいるのに、そういう人たちがいることもふまえて、するりと避けていくんだよ。
スクランブル交差点を渡る人たちの平均年齢が非常に若いのも大きいかもしれないけど(運動神経、反射神経の働きがいい年齢って意味で)。
たとえば、タイの道路は、信号がないところで人間が歩いて渡りだしたら、バイクや自動車が自然とスピードをゆるめて人間を渡らせてくれる。
それはそれですごい技だと思うけれど、さすがにそこで自撮棒だしてたら、命の危険性が高いよね。
しかしスクランブル交差点は、車は停車しているわけだから、撮影ポイントとしては命の危険性は少なめ。
自撮が迷惑行為だとも、たぶん渡る人々は思っていない。むしろ嬉しく、誇らしく思っているはず。
自撮する観光客の姿さえも、スクランブル交差点のチャームポイント。
その地、そのモノが名所ってわけじゃなく、人間の活動(交差点を渡る人々)が加わって初めて、世界的観光名所として成立するというのも、現代美術の手法のようでイイわ。