予想外

人間を長年やっていると、自分に起きるパターンが見えてきやしないか?
私の場合、十年前くらいに、それが見えてきて…。
そのパターンとは、自分が望んだこととは予想外のことが起こるということなのだ。
でも、それって当然なこと。人も、物事も、自分の望む方向には動かせない。
ただ、私の場合、変だなあ、と思うのは。
AとBという選択肢があって、自分としては圧倒的にAを望んで、Aに照準を合わせて努力をしてきたのに、Aがだめで、Bを獲得する、という結果になる。
しかし、Bの獲得がAより劣る結果かというとそういうわけでもなく、ただ、自分の予想外の結果となるということ。
あるいは、Aを強く望んできたのに、突如、Aを捨てて、Bに変更するとか、まあったく興味を示さなかったことに、突如、興味がわいて、あっというまに傾倒しちゃうとか、そしてその自分の変容ぶりに自分で驚くとか。
または、ものすごく力を入れて仕上げたものが全然評価されず、ちょっと遊んでみようかな、という軽いきもちで仕上げたもののほうが、評価されちゃうようなこととか。
最初にすごく仲が良かった人とは破綻し、最初に仲が悪かった人とかそれほど仲が良いわけでもない人と、その後、逆に仲が良くなってしまうとか。
ずっとこの場で生きるのかな、と思っていたら、突如、自分の意思でその場を去ることになるとか。
そういうことがあまりにも繰り返し起こるので、約十年前に思ったのだ。
私はどうやら、何かを望んだり、欲望したら、かえってそれが得られない。
また、自分の既得しているものに、自分でなかなか気がつかない。
しかしそれは、幸運や獲得できるものがない、ってわけじゃなく、望んでいないところから、予想外のところから、それらが来るらしい。
目標をもって、努力をして、ちゃんとその通りの結果を得る人もいるんだけど、なんか私はちがうみたい…。
今日、そういう傾向にあるのは私だけじゃなくて、全人類の10%くらいがそうなる、という見方があることを知って、ぼーぜん。
その人たちは、もう…面白がるしかないんだって。自分と自分の周囲に起こる、予想外のことを。
つねに予想外のことが起こるのって、精神的に耐性がいるんだけどさ。ふう。