群ようこ「衣もろもろ」:追記

今週のお題「今、読みたい本」
実は、前回の記事、最後まで読み終わる前に、書いてしまった。
最後まで読んだ今、「衣もろもろ」の核は、最終章にある、と解ったので、追記。
私も、1年以上かけ、自分の着るものについて、さんざん悩んできた。
そして、今現在どんな状態にあるかというと。
虚栄心のない、他者になんの威圧感も与えない、そんな装いをしたいという気持ちになっている。
ノイズがない、目立たない、流行に関係なく、同じようなパターンの装いで、いい。
モデルじゃないんだから、似合う服のデザインが限定されるのはあたりまえだ。
「衣もろもろ」の最終章には、私も群ようこ氏と、似たようなところに行き着こうとしているのかもしれない、と共感めいたものを感じて、わくわくした。
以下引用。
「自分が今の自分でいる限り、永遠に自分に合う服には巡り会えない。というか、すでに巡り会っているのに気がつかず、巡り会っていないと勘違いし続けると思い当たったのだ。つまりずっと無いものねだりをし続けて、永遠に満足しない。それは世の中のせいではなく、自分の心の中の問題だったのだ。…人は相手が流行の服を着ているからといって、好ましく感じるわけではない。服の印象も大切だけど、それ以上にきちんと日本語が使えたり、精神的に穏やかで思いやりがあったり、その人なりが醸し出す雰囲気が大切だ。ファッション雑誌は、流行の商品は教えてくれるが、個人個人が自分でどういう魅力を創り出していくかは教えてくれない。自分が物事をどう考えるのかが重要なのだ。それは流行のファッションが登場しないもの、たとえば本や映画、絵画が教えてくれる。そしてあとは自分の頭で考える。たくさんの失敗も必要だ。たしかにそれに使ったお金は失うけれど、自分への投資になったと思えばいい。」
引用終了。