十三やのつげ櫛

今週のお題「2012年に買って良かったもの」
今年買って良かったものといえば、つげ櫛である。
秋の京都旅行の折に、つげ櫛専門の老舗、十三やで購入。
清水寺に行く途中だったので、清水店で。
感じのいい老夫婦(だと思う)が、母と、私に、つげ櫛を選んでくれた。
よく雑誌等で見かける、半月型ではなく、長方形に近いもの。
半月型だとキュートで見栄えがいいから、そっちが掲載されるのだろう。
でも、実用的なのは、長方形タイプらしい。
ショートヘア用とロングヘア用で、歯の幅が異なる。
母が何年くらい持ちますか?と尋ねたところ、「三、四十年は」という回答にびっくり。
私、死ぬまで買い替えしなくてだいじょうぶだわ〜と母、71歳。
つげ櫛の手入れの仕方は、月に一度程度、椿油を染み込ませたティッシュで、一晩シートパックしてあげること。
数年前、椿油がはやったころ、私も一瓶買ってはみたものの、数滴でも油っぽくなりすぎる状態になり、使い進めていないままだ。
椿油って、つげ櫛に染み込ませたうえで使うという、なんとも間接的で、ほのかな量を使うのが、正しかったんだなあ、と知る。
買って以来、洗髪後ドライヤーで8割がた乾かす→つげ櫛で梳かす→マイナスイオンのくるくるでブロー。
という流れになっているが、いい感じで髪に艶が出るので気に入っている。
思えば、冬に花咲く椿に目を引かれたときは、花の可愛さと共に、つやつやな艶をたたえた葉にも、見惚れてしまう。
それを目にした女たちが、この艶を、ぜひわが髪に、と欲望してしまうのも納得である。