ソフィア・コッポラのスタイルブック

ソフィア・コッポラのパーフェクトスタイルブックが、去年末頃に発売された。
意外だった。
雑誌でときおり、業界内の人から見ておしゃれな人物として、ソフィアのファッション記事が掲載されてはいる。
でもソフィアのスタイルって、マーケット的に見たら、歓迎すべきタイプではないと思うのだ。
アパレル業界が顧客に望むのは、数多く買って、翌年には買いかえる、という行為。
ソフィアは、ほぼ同じスタイルの服を貫いている。
しかもそのスタイル、構成アイテムが少ない。
バッグも、さまざまなブランドバッグを、とっかえひっかえ持ちあるく、ケイト・モスミランダ・カーよりも、明らかに限定された品数である。(ルイ・ヴィトンでデザインコラボしたSCバッグがメイン)
このスタイルを真似すると、さまざまな服や小物を、毎年、数多く買うという消費行為には、つながらなくなる。
(ただ、一見シンプルな服に見えても、実はセリーヌのニットなど、ハイブランドの最新服を身に着けているので、庶民はそのままソフィアと同じ服をまねすることができるものではないが。)
ぱっとみ、地味なスタイルのソフィアの、スタイルブックが出版されるなんて?と、いぶかしさと嬉しさをないまぜにしながら購入。
案の定、ソフィアのファッション頁は、ほぼ半分の頁数で終わっていた。はは。
そんなに点数をかき集められるほど、バラエティに富んだファッションスタイルをしている人じゃないしなあ。
残りの後半の頁を埋めていたのは、ソフィアの監督した映画のヒロイン女優三人の、ファッションなのだった。
この三人の女優の頁を見ていて、思う。
スカーレット・ヨハンセン以外の二人(キルスティン・ダンストエル・ファニング)は、キュート・ガーリーなファッションが似合うタイプなのではないかと。
ソフィアのファッションって、ワンピースや、ドレス系になると、とたんにガーリーなデザインになることがある。
ブック上では、「大人ガーリー」と、称えられているけれど、本当はソフィアは、ガーリーな要素はすごく似合うわけではないように思う。
でも、好きなんだろうなあ。だから、つい、着ちゃう。
好きだけど、自分にはベストに似合うとは言えないガーリーな要素。
2人の女優はそのガーリーな要素を、自明のものとして、備えている。
ソフィアは、自分にはない憧れ要素もあって、ガーリーなタイプの女優を好むんじゃないだろうか。
CM監督を手がけた、ナタリー・ポートマンも、新作のヒロイン、エマ・ワトソンもガーリータイプだと思う。
このスタイルブックを見ていて、「色」についても、気が付いたことがあった。
その話はまた後日。