ラベンダーを探して

今のところ、二回目のウェディングドレスを着た知り合いは、いない。
当事者の生の声を聞いたことはないが、女にとって「二回目のウェディングドレス」は、デザイン的に冒険してみたくなるのではないだろうか。
そう思ったのは、まずオードリー・ヘプバーン
最初の結婚のときの、ふんわりパフスリーブ(グレースタイプには似合わないんだけど)のお姫様的なウェディングドレスに比して、二回目の、ベールではなく白いスカーフを巻き、シンプルなミニ丈ワンピースなデザインのウェディングドレスの大胆さ。
通常、初めてのウェデイングドレスは、何度も着ることを予測して選ぶことはしないだろう。
最初で最後のドレスという前提で選ぶはず。
一度だけの機会と考え、あとがないのだから、失敗することのない、オーソドックスなデザインのドレスを選ぶと思う。
ケリーバッグの購入を決心し、色について相談している掲示板の答えが、「何個も買えるような品じゃないし、初めてなのだから無難な色を」というアドバイスが多いのと、似ているような気がする。
しかし、予想に反して二回目のウェディングドレスを選ぶ機会を得た女性は、コンサバなデザインはもう着たし、今度のドレスは、冒険してみよっかな♪と思って選ぶような、気がする。
さて、ソフィア・コッポラのパーフェクトスタイルブックには、ソフィアの二回目の結婚のときのウェデイングドレス姿も掲載されている。
ソフィアの最初のウェディングドレスがどのようなものだったかは、知らない。
二回目のウェディングドレスは、ラベンダー色である。
デザインも、ミニ丈に近い、通常行われるパーティドレスにも転用できそうなデザイン。
もちろん、オーダーメイドである。
白いウェディングドレスではなく、ラベンダー色のウェディングドレスだった理由。
それは、ラベンダーが、ソフィアにとって、最高に美しく贅沢な色だったからではないだろうか。
そう思ったのは、ソフィアが着ている服の色を観察してみると、彼女のパーソナルカラーは「冬」じゃないかと思ったから。
冬色をはずしたことがないっていうくらい、服の色の選択が徹底している。
ちなみに、私も冬だ。
私の憧れカラーは、ラベンダーである。
冬のパーソナルカラーは、他のタイプに比べ、「淡い色」が極端に少ない。
強いてラベンダーに近い色といえば、大量の白に、ほんの少し紫を垂らした感じのアイシーバイオレットになる。
街中で売られているラベンダー色の服は、たいてい夏か、春のタイプの人のもの。
「冬のラベンダー」には、なかなか出会うことがない。
ソフィアのパーフェクトスタイルブックでも、ラベンダー色の服は、ほぼない。
これはやはり「冬のラベンダー」の服が、なかなかないってことだと思う。
生地からオーダーしても許されるだけの価値を持つ、晴れ着中の晴れ着、ウェディングドレス(ただし二回目)で、ソフィアは冬のラベンダーを使ったのだと思う。
冬のラベンダーの難しさに気が付いたのは、実はつい最近のことなので、その話はまた次回で。