PARIS STREET STYLE

PARIS STREET STYLE という洋書を、拾い読み中。
不明な英単語にぶつかっても、辞書をひいてまで解読する気力がないもので、全部理解してはいないが。
さまざまなフレンチスタイルな装いの女性たちの写真や、着こなしのアドバイス、関連分野の専門職の人々のインタビューが掲載されている。
このインタビューに、ときめく言葉が並んでいる。
「ファッション(流行)という言葉は、大嫌いだ。流行についていくこと自体が、流行遅れだ」
「自分自身にとってベストなものを見つけなければならない」
「エレガンス シック クラッシィ 控えめであること」
「殻でも変装でもなく、内面を表現することがスタイルである」
「SATCみたいな映画には、がっかりさせられる」
「まず自分を知ること、自分自身と自分の身体を観察して、自分のどの部分を強調するか理解すること」
「あなたは自分自身のパーソナルなユニフォームを発見しなければならない」
「パーソナルこそキーワード。着こなしにおける、自分の語彙を見つけること」
「価格は忘れ、品質を重視せよ」
「現代のファッションはマスマーケットに操作されている。
洋服は高価なものだけれど、そのうちの大部分はマーケットが後押しする粗悪品。消費者はイディオットとして扱われている」
「ドレスは言葉であり、表現手段」
「現代の服装は退屈。みんな似たような服装をする。マーケットの力だ」
などなど。どのインタビューも、ファッション誌には絶対に掲載されそうにないが。
フランス語の原書が2012年、英訳が2013年の出版だから、そのうち和訳の翻訳書も出ないかなあ。
このインタビューに答えている人たちの語りっぷりが、ここまで熱いのって、いわば、「ファッション界のオタク」だからなのだろう。
製品の作り手、売り手側の一枚上をいく、目利きなんだろう。
さまざまな分野別に、それぞれのオタクが存在すると思うが、服は、はっきりと目に見え、自分についてまわる、日常的なアイテムだから、その分野にある程度精通していなくても、オタクの方々の主張が、理解できるのが良いなあ。
ちなみに、インタビューの語り手の言葉にも、ファッションアドバイスの章の中にも「可愛い」(CUTE)という言葉が皆無。(たぶん)
着こなし術やアイテム紹介のアピールの言葉に「可愛い」があふれる日本とは対極だ。
「可愛い」を後押しするマーケットが栄える日本でなら、可愛くはないというだけで、「スタイル」になるかもしれない。
アメリカのように、ゴージャスや最新流行の装いや、完璧にセットされたヘアスタイルとは異なるスタイルが粋な、この本の中の装いを観察すると、そっか、ソフィア・コッポラのスタイルはフランス仕込みかもしれないと、思う。
ソフィアが常に、ヘアスタイルを無造作な感じで、整えすぎていないのが、なんだかそれっぽいのだ。
ちなみに、インタビューに答えている人々の中でも、フレンチシックな著名人は誰だと思うか?という質問に、ソフィアの名をあげていた人が複数いた。
全センテンスが理解できていないけれど、ちゃんと辞書をひきひき読もうかな、PARIS STREET STYLE。