シャツの使い分けに悩む

このシャツ素敵、と、オリアンのシャツに出会い、購入したものの。
もともと、仕事中に着るシャツは、ボトムがパンツのときにアウトして着て、さまになる細身のシャツ、そんなシャツを探そう、というのが目標だった。
その目標が、間違いなくかなえられたシャツだ。しかし。
仕事中に、このシャツを着ることを想像してみた。
まず、袖は、まくらなくちゃいけないし、ときには髪振り乱して事務作業に取り組む状況になる。
事務作業ってけっこう汚れるから、シャツも汚れる。
からっとしたヨーロッパの夏が過ごせるイタリアと違って、湿度の高いアジアゆえの、日本の宿命、湿気による汗がもたらすシャツのダメージも、大きい。
仕事中に着ることで、このシャツの美しさは、目減りするだろうなあ。
仕事中は、シャツより仕事が大事だもの、仕方がないことだけど。
.....このシャツ、仕事着ではなくて、休日の外出着にしたいな。
なんか私、ケチなのかな。
そりゃあ、着た回数が多ければ多いほど、償却率が高くなるけど、休日に何回も着ればいいじゃない?
先週読んだ、漫画家の槇村さとるの著書「一生使えるファッションノート」でも、服装にまつわる経験やアドバイスが語られていて、とても参考になったけど、
槇村さとるだって、仕事中、つまり漫画を描いている最中は、オリアンのシャツ的な服は着ないはずだ。
仕事着とおしゃれ着。
ワーキングシャツと、好きなシャツは、使い分けたほうがいいかもしれない。
そこで、先日記事に書いた雑誌「DRESS」のことを思い出した。
「DRESS」が想定した読者像は、四十代の独身女性で、多忙な仕事を持ち、自分のために使うお金がある、という感じのものだった。
誌面で展開されたのは、ハイヒールやドレッシーなワンピースを、仕事の場に着ていくという状況設定。
多忙な仕事、というからには、仕事場の拘束時間も長くなる傾向が強い。
高価で美しいDRESSをたくさん買わせるには、それを見せる場所、着ていく場所の回数を増やせる状況設定をしなくてはならない。
だから、仕事場に着ていこう、とアピールすることになるのか。
(制服のある会社で働いている女性は、読者として想定していないんだろう)
再考してみる。
汚れても平然としていられるシャツじゃないと、私の仕事のパフォーマンスは低下する、気がする。
本当に好きな服、大切にしたい服は、プライベートで着る服、休日着にすればいいんじゃないだろうか。
休日着にして、磨耗してきたら、仕事着にお下がりする、という流れでいいんじゃないだろうか。
仕事フォーマル、休日カジュアルじゃなくて、仕事カジュアル、休日フォーマルだ。
休日のおしゃれの楽しみ、休日にシャツを着れば着るほど、磨耗してやがて仕事着にまわせる楽しみ。
そのほうが、幸福量が多い気がする。
と、話は落ち着いたはずだった。
一昨日、雑誌「Oggi」最新号を読んだ後、私は、オリアンのシャツを、会社に(今日)着ていくことになったのだった。
続く。