注目不要

「野心のすすめ」(林 真理子著)を読む。
もしかして、林真理子の初・自己啓発本になるのだろうか?
読み終わって、小説家としてではない、人間としての林真理子は、素直で健全な人なんだろうな、という気がした。
働き者で、勉強家で、努力家。
一流の、衣、食、仕事、人間関係を手にいれたいと欲望する姿勢。
その上昇志向の基にあるのは、周囲の人から注目されたい、好かれたいと望む気持ち。
それが、本文中の随所からうかがえる。
ちなみに私は、人から注目されたい、という気持ちは、極めて少ないと思う。
(少なくとも林真理子に比べれば、明らかに)
頼むから私のこと見ないで、という思いのほうが強い。
こどものころからそう。
幼稚園のお遊戯発表会で舞台に立つのが、とにかく嫌だった。
大人になって、身体系の習い事を選ぶときは、とにかく、発表会の類がないもの、が条件のひとつだったくらいだ。
ダンス系の種目は、人に見られることを前提にした動きなので、それらに発表会がついてくるのは自然なことかもしれない。
しかし、私はフィットネスとして、トレーニングとして行いたいだけであって、それを人前で披露したくはない。
タップダンスを習いはじめて三年たったとき、突如、発表会の話が振ってきたので、参加を断ったものの、気まずくなって、教室を止めてしまったこともある。
その後、人に見られることを前提としていないムーブメントであり、自分の身体と対話しつつ、もくもくと取り組むことができるピラティスに出逢って、落ち着いているわけだが。
注目されたくない理由は、ただただ、自分の外見に自信がないからにつきる。
しかし、林真理子氏の場合、外見に自信があるから注目されたいというわけでもなく、注目されること自体に、とても幸せを感じる気質ゆえみたいだ。
私の場合は、そもそも注目されることに、幸福感を覚えない気質なんだろう。
・・・・・・・。
と、そこで思い出した。
注目、注視に関連するグッズ。
つづく。