紙の百科事典

堀江貴文の著書「ゼロ」を読んだあとで、印象に残ったこと。
こども時代、著者が読んだ本は、当時家庭販売がブームになっていた百科事典セットだったという件。
「あ」の項目からすべて読み、暗記していったそうだ。
当然、「紙の」百科事典である。
百科事典で、ふと思い出したのは、先月あたりに見かけた、電車内CM。
自社商品の思わぬ注文殺到に喜んだ経営者が、どんどん追加生産を行うんだけど、種明かししてみれば、それは、ウェブ注文画面の購入ボタンを、ある家庭の犬(ダルメシアンだったか?)が前足で押し続けていた、というもの。
その商品というのが、百科事典セットだったのだ。
このCMの舞台上の商品は、「今の時代、大量に売れるわけはない」ものではなくてはならない。
CMの作り手は、それはどんな商品か?とさんざん候補をあげたはず。
その中で選ばれたのが、百科事典セットなのだ。
確かに、今、こどもに百科事典セットを贈るか?例えばクリスマスプレゼントにでも?と問われた親は、おそらく、ウィキペディアがあるから不要だ、と答えそうな気がする。
2013/5/26「林真理子が好きになる 追記」の記事内で書いたが、「紙に書かれた文字を読むときと、電子の文字を読むときは、脳の、前頭前野の働き度が異なる、というコラム(前者は前頭前野が働くが、後者はそうではないという計測結果がある)」を読んだことがある。
もしかしたら紙の百科事典は、少年時代の堀江貴文前頭前野の育成に、一役買っていたのではないだろうか、なんて思う。
「今の時代、大量に売れるわけはない」とマーケットが見なしている商品と、堀江貴文の取り合わせは、奇妙に面白い。
聞いてみたいなあ。
今、こどもに読むことを進めるとしたら、ウィキペディア通読か、紙の百科事典の通読か、どちらですか、堀江さん?