9月のQOL

今週のお題「秋の気配」
私の9月のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)は低めである。
8月末から、毎週、風邪をひいている。
鼻水、くしゃみ、寒気に襲われ、ポケットティッシュを6コくらい消費しつつも、たいてい12時間後に治り、なぜか発熱がない。
決まって、ピラティスのレッスンを受けた夕刻からそうなるので、当初は「激しい運動をすると風邪をひく説」に該当するのかもしれない、と思った。
しかし先週末、マッサージ師さんにその話をすると、秋の花粉症じゃないですか?という指摘。
ふうん、秋にも、花粉症があるのね、と思いながら、帰宅して、夜になり、NHKBSで「奇皇后」を見ていたら。
突如、マンションの廊下の非常ベルが鳴り出した。きゃあ。
廊下に出て、鳴っているベル周りを見てみる。解除できそうなボタンなどはないみたい。
誤作動かなあ、その場合は管理人さんが止めるはずだし、と思って、あ、今日は日曜日だから管理人さんが休みでいないんだ、と気づいた。
ベルは鳴り続ける。
こういう場合・・・消防署に電話しちゃっていいだろう、と決心、人生初の119番TEL。
最初の着信音が終わらないうちに「はい、消防署です」とつながる。
非常ベルが鳴り出した、と説明して、住所を伝えると、すぐに向かいます、と返事。
私が呼んだのだから私が消防車をお出迎えしなければ!と、寝間着(とてもパジャマと言える形態ではなかった)から普段着にいそいそ着替えて、1Fへ。
1Fでは、管理会社に電話をかけているマンションの住民の方がいた。
管理会社は、まずは対処方法を確認する、という返事だったとのこと。なんか不安だ。
玄関を出たとたんに消防車のサイレンが近づいてくるのが聞こえて、まもなく消防車が到着。
すごい、電話をしてから5分たってない。
重装備の消防士さんたちは、各フロアへ出火や煙のようすがないか点検へ。
たぶん全部で10名ほどだったと思うが、驚いたのはそのうち3名が女性消防士だったこと。
今の政府の目標だと、これが5名くらいになれば理想的なのだろうか?いや、職種内容を考えれば、十分女性が活躍している比率のような気がする。
消防車がマンションの前に止まったので、何人か他の住民も、玄関前に出てくる。
点検したところでは出火のようすはないが、非常ベルは住居内の誰かが自室内の非常ベルボタンを押したために鳴っているはずなので、その室内に出火やトラブルがないかの確認が必要とのこと。
しかし、どの部屋のボタンが押されたのかは、管理人室内に設置されているプレートを見ないとわからない、でも管理人は不在。
消防署は、なんとしてでも非常ベルの発生元の状況を確認するまで、帰るわけにはいかないんだそうだ。
そのため、消防士さんが管理会社と直接電話でやりとりをしながら管理人室を開け、プレートをチェック。
すると、非常ベルが押された部屋は、4Fの、ふだん歩行器が必要なおばあさまが住人の部屋だった。
部屋のドアをたたいても返事がなく、電気もついていないので、もしかしたら外泊しているかもしれず、非常ベルの誤作動かもしれないが、もしもおばあさまが非常ベルを押して、倒れたままの状態だったらどうしよう?と一同、心配に。
そこで、消防士さんがベランダから、室内の状況を確認することに。
命綱をセットした消防士さんが、まずは隣の部屋のベランダに通してもらい、そこから目標の部屋のベランダに着地。
室内をライトで照らして確認した消防士さんが、「ベッドで寝ています」と報告。一同ほっとする。
逐次報告が義務の消防士さん、ひきつづきたんたんと「驚いています」と報告。
そりゃー、4Fのベランダに男の人が立っていたら、おばあさまは超驚くよなあ。
寿命がちぢまったんじゃないかしら〜と心配する住民の方。
おばあさまが起きたところで、玄関側から状況を説明。
でも、おばあさまは非常ベルのボタンは全く押していないんだって。
なので、おそらく非常ベルの故障か誤作動だろうということで決着した。
・・・などとやっているうちに、電話をして1時間20分後、管理会社の人が到着。
運悪く管理人不在の夜、消防士さんの職業的な使命感と能力と機転のおかげで、大いに助かったのだった。
思えば、私が消防署に連絡しよう、と思ったのは、二年に一度の勤務先の避難訓練の影響もある。
事前に避難訓練のシナリオがくるんだけど、火災報知機のベル(実際に鳴らす)から始まり、次にくるのが消防署への電話連絡(実際に本物の消防署に電話をし、これから避難訓練を行うと伝える)なのだ。
非常ベル→消防署へTELという流れは正しいよ、という私の中への刷り込みがさりげなくされていたんだなあ、きっと。
避難訓練・・・というか、練習って大切なんだね。
母がフィットネスクラブで受けている太極拳は、身体にゆっくりとさまざまなポーズをとらせることで、身体にこういう動きもあるんだよ、ということを刷り込めるから、特に身体が硬くなりがちな老人には、日常生活で身体がとっさに動きさえすれば防げる怪我を防止する効果があるんだそうだ。
身体に、さまざまな動きを練習させておくということだ。
ところで、この日の夜、私が再び自室に入ることができたのが真夜中の12時20分。
翌日出社をすると、風邪の症状が起こりだした。
鼻水が止まらなくて、ティッシュが手放せなくて、私、挙動不審者そのもの。
これじゃあ、仕事にならないし、食べることもできない、しゃべることもできない、思考することもできない。
これ、風邪じゃなくて、やはり花粉症・・・?。
仕事にならないので、中断して耳鼻科へ走る。
アレルギー検査はせず、症状から見て花粉症の可能性が高いので、一番弱い花粉症の薬で様子を見るということに。
私はスギ花粉症にもまだかかっていないのに、なんでまた秋草の花粉症に?
ただ、飛散エリアがときに数百キロに及ぶスギと違って(逃げようがない)、秋草の場合は、飛散エリアは数十メートルなんだって。
だから、とにかく花粉症元の秋草が生えているところに近づかなければ逃げられる。
....そういえば、ピラティスの教室のとなりが人家で、そこにあまり手入れに力が入っていないようすの庭がある。
もしかしてその庭に秋草が生えているのかも。
今、スギ花粉症の人たちの真の苦しみが、自分にもやっとわかった気がする。
花粉症が、QOLと日常生活に必要なパフォーマンスを大きく低下させるものだってことが、やっとやっと実感できた気がする。
というわけで、9月の私のQOLは低下しっぱなし。薬を飲んだ状態で、ピラティスのレッスン帰宅後にどうなるかを実験せねば。