同という字

同じ年に勤務先に入社した社員同士を「同期」と呼ぶ。
私の「同期」の経過年数は、二十年超えになるわけだけど、数年で退社した同期でも、現状同じ勤務先にいなくても、なぜかずっと「同期」という名の間柄なのである。
先月、二十年近く前に退社した同期二名と、在社している同期で、会社近くでお昼を食べよう、ということになったとき。
お昼のお店に到着したら、すぐ後ろに二十年ぶりの同期がいて、お店に向かって走る私の後姿を目にして、あ、あの小走りは○○ちゃんだ、ってわかった、と言う。
二十年ぶりなのに? そういうのなんか嬉しいな。
現状在社していても、地方勤務の同期の場合はめったに会うことがないんだけど、去年、東京に来ていた同期に、
「その話し方、二十年前と変わらへん!」(関西人の同期なので…)
と言ってもらったりして、ああ同期って、「同期の記憶」が共有でセットされちゃう点がいいな、と思ったりする。
人間関係も組織もどちらかというと非常に苦手な、私でも。
同期、同郷、同士、同門、同罪。
「同」という字がつくと、ほろ甘い感じ、切ない感じが、ふわっと付与される。
そこに、自分以外の誰か、の存在が付与されるからかもしれない。