ゼロ・トゥ・ワン

この書のタイトルの意味は、「何も無いところから、新しい何かを生み出すこと」。
終わりまで読んでみて、気がついた。
ゼロ・トゥ・ワンって…つまり、それ「創業者」のことだよね。
「創業者」の比喩の言葉として、非常にかっこいい。
この書を実用書として活用するには、作者のピーター・ティール並の、スタンフォード大学飛び級入学する能力があるかどうかがまず問われると思うので。
なので、これは私にとって「読み物」である、というスタンスで、読んだ。
「創業者」のメリットは、自分の性格に沿って、仕事のしかたも、仲間も決められるってことだなあ、と思った。
ティールの性格が現れた仕事思考の、本なのだ。
すでにあるもの、成功例をコピーするのではなく、新しい何かを生み出す。
小さく創めて、独占する。
競争しない。競争で使うエネルギーが無駄だから。
仕事仲間は少人数で始める。敏捷に動けるし、考えるスペースが持てる。
仕事仲間は、好きな人たち。嫌いな人と仕事をするなんて時間の無駄。
販売促進も大切な仕事。(ただし売るもののクオリティを伴っていること)
大金よりも、面白い仕事を欲する。
マクラや事例に使っているのが、SF、文学、神話、哲学、芸能など。これらが作者の「学び」の対象になっているということ。
ピーター・ティールの経歴を見ると、「被雇用者」の経歴、皆無。
「創業者」の経歴のみ。
自分の企業(ペイパル)が成功した後は、ゼロ・トゥ・ワン志向な他者のスタートアップ企業に投資。
つまり、お買い物を楽しんでいる。お買い物の対象は、「モノ」じゃなくて「仕事」。
なので、競争しないと燃えない!ライバルを破壊するのが快感!大金を得たい!既存成功例をアップデートすればいい!創業者じゃなくて、起業者であればいい!という性格の人には、逆に合わないと思うよ。
自分の性格に沿った仕事の仕方ができるのが、創業者なんだ、ってことこそ、参考にして。