負けたくない人

4月に向かって、気分は、しんがり
しんがり経験がないので、正しいしんがりとは、どうあるべきかわからないが。
戦には負けても、自分は倒れてはいけない。
そういうことじゃないか。
倒れて使いものにならなくなったら、会社に打ち捨てられるだけ。
負け戦でも、倒れなければ、また別の戦に使えますから。
私は勝ち負けにこだわるタイプではなく、勝ち負けの意識そのものが薄いほうだと思う。
勝ちにこだわるタイプの人は、負け戦とわかっていて参加すること、ましてしんがりの役割なんて、絶対に、許せなくて、それを避けようとするはずだ。
しかし、そういう人たちは、勝負に挑むのが好きな人、というわけではない。
勝ちたいというより、負けたくない。
だから、あらかじめ、負けないように、手を打つ。勝てる可能性が薄めの勝負には、最初から参加しない。
負けそうな気配がしたら、その場から早めに逃げて、敗者になるのを回避。
そんな気がする。
知人女性で、何人か、そういうタイプが思い浮かぶ。
ある、外国語大英語科専攻の友人は、絶対に英検1級を受けようとしなかった。
私の大学だと、理系の学部の人も1級受験してたけどな…二、三回受けることになってもいい、って感じで。
なのに、なんで外大の彼女が受けない?と不思議だったが。
不合格になる(負ける)ことが、絶対に許せなかったからだ。
負けないようにするには、その勝負には最初から参加しなければいい。
だから、その友人は、合格不合格のないTOEICやTOEFLは、せっせと受けてスコア獲得に励んでいた。
そして、その友人と、同様のタイプの他の知人に、共通していたことは。
勝ち組的就職先が獲得できなかったとき、向かった先が、リベンジ留学やリベンジ大学院進学ではなく、リベンジ結婚だったことである。
勝ち組的職場でないところで働きつづけるのは、負けを意味するが、最初から、そこ(職場)に参加しなければ、あるいはそこから早めに離脱すれば、負けたことにはならない。
留学や大学院は、一過性のもので、いつかは職場へ参戦することになるはず。しかし、結婚は、その戦場の外にある。
だから、その友人も知人も、みな、専業主婦です。
うちひとりは、どんな日本人の男とよりも、欧米白人と結婚した女のほうが格上、という思考をもっていて、その望みをかなえましたよ。
ゴージャスな暮らしをしているわけでは、まったくないけれど、彼女にとってのリベンジ結婚は、それが勝ちらしい。
いってみれば。
負けたくない人って、負けたときのダメージが凄く大きい人、ということなんだろうなあ。
だから、負けを恐れて、あらかじめそれを避けるんじゃないかな。
「勝ちたい人」と「負けたくない人」は、似ているようで、違う。