不法侵入から始まる

NHKで放映されていた「哲子の部屋」が、書籍化されていたのを、読んでみた。
面白い。
新しいものに触れて、頭の中が微熱に炙られたような感覚。
哲学ってナニ?が、この番組の、この書の、テーマ。
面白い…って感覚に打たれたのは、哲学って、実生活で試すことができる学問なんじゃ?という発見に打たれたから。
いわく、人は、考えるぞ!と思って考えるんじゃなくて、イレギュラーな事態、不測の事態、何か考えさせるものがやってきて、仕方なく考える。
何かの不法侵入を受けて、考えさせられるのだ、と。
次元がぜんぜん違うけれど、昨日突如、会社でパソコンの専用回線が繋がらなくなって重要なデータが受けとれない!とあせったときに、元の上司とふたりで、いろいろな原因を頭をひねって考えて、ケーブルをたどって机を動かして、機械相手にこどもだましのような手をいろいろ打ってみて、解決したときは、すごく達成感があった…のも、まちがいなく不測の事態、不法侵入を受けて、むりやり頭をフル回転させたからなんだよなあ。
これが、いつものように普通に回線が作動していたら、頭の中は、穏やかで平坦なまま(=考えない状態)だったのに。
哲学を学ぶとは。新しいモノの見方、考え方を体得することであって、あらゆる学問の原点には哲学がある、という内容にも納得。
だからといって、歴代の哲学者それぞれの哲学をマスターする必要は、まったくなくて。
哲学の概念、いわば哲学のフォーマット、は、その気になればだれでも、実生活のうえで、活用できるものなんだ…と、感じたのが、「面白い」の原因。
つまり哲学のフォーマットを楽しもう!という意味で、面白いのだ。
つづく。