どんなヒーロー?

「ミッション・インポッシブル ローグネイション」を見た。
シリーズ中で、一番好きかもしれない・・・。
トム・クルーズは、イーサン・ハントで、アメリカ製ジェームズ・ボンドをつくりあげようとしているかもしれない、と思う。
マット・デイモンも、ジェイソン・ボーンで、同じことをしているような気がするけれど。
どちらのヒーローも、ボンドとちがうところは、女性に対してストイックなところだ。
イーサン・ハントは、惚れっぽいけれど、複数と同時進行はなく、女に対する思いも忠節である。ボーンも同様だし。
ボンドはイギリス製であって、アメリカ製スパイヒーローは、こうじゃないんだ!という、ハリウッドのスター俳優の、使命に近い意気込みを感じる。
超人的な力まで行かず、現実に近いレベルで、どんなヒーローをつくりあげるかは、その時代の文化をつくることに等しい。
正統派ではないヒーローが、一方でどれだけ量産されようが(タランティーノ製とか)、トム・クルーズも、マット・デイモンも、俺が正統派のアメリカン・ヒーローをつくっておかないと!という義務感みたいなものがあると思うんだよなあ。
知力も身体能力も高くて、高潔な精神で、任務にも女性にもストイックというひとつのヒーローのありかたを。
トム・クルーズマット・デイモン自身がヒーローを演じられなくなっても、イーサン・ハントのあり方、ジェイソン・ボーンのあり方を踏襲して、このヒーロー像が受け継がれていくように。
その流れもまた、ジェームズ・ボンドの流れと同じだね。
ヒーロー像を受け継いでいくことって、シャネルと同じ、シャネル自身がいなくなってもシャネルの精神を受け継いで別のデザイナーが製作を続けていくという、ブランドを受け継いでいくようなものかも。