スター・ウォーズ フォースの覚醒

アメリカ合衆国が誕生したのは、1776年7月4日。
まだ239年しかたっていない。
日本で、国の神話ともいうべき古事記が作られたのが、712年とされている。
となると、アメリカは、まだ、国の神話をつくっている最中とみても、いいかもしれない。
古典新興とりまぜ、各種の宗教が、神話の役割を果たそうとしているのかもしれないけれど。
でも、神話は、ロマンティックなのがいいよね。
ロマンティックを期待してしまうよね。血が燃え立つような、わくわく感も、ほしいよね。
宗教はその期待には、十分応えられない気がする。
神話をつくろう。紙に字を綴る方法だけじゃなくて、映像で綴る方法もある。
せっかく今、映像の世紀に、まだ幼年期を過ごしているんだから、僕(アメリカ)は。
映画で神話を綴っていこう。何千本も綴られた神話の中でも。
スター・ウォーズこそ、アメリカ神話のトップなんだろう。
神話の中には、高貴な王族の血脈を持ったヒーローやヒロインがいる。
だから、貴種流離譚も、語れる。
貴種流離譚は、日本神話の縦糸でもあるが、アメリカ神話は、そこに父殺しという横糸が加わる。
父を乗り越えなければ、大人になることはできない、と次世代の者に語り継いでいく義務を負っているかのように。
最初の公開作と同じように、今作も、それが登場する・・・21世紀版として磨きなおされて。
子が、父と知らずになし遂げるのではなく、子が父と知ったうえで、意思をもったうえで、なし遂げるのだ、今世紀版は。
ライトセーバーの使い方も、神話的かつ日本的。
日本の刀剣は、人を斬る役割をすると同時に、家を継ぐ者に伝えていく、人を繋ぐ役割も果たす。
人と人の絆を、切ることも繋ぐこともできるもの。
ある父子は、切ることに使った。もうひとつの父子(たぶん・・・)は、繋ぐことに使う。
現在進行形のアメリカ神話を見つづけていける、しあわせ。