月曜日の呪文

日々、さまざまな言葉が通り過ぎていく。
ささる言葉や、ぱちっとあたる言葉がある。いい意味で。
ささるのやあたるのは、自分に、こころあたりがあるから。
先週末にあたった言葉。
今、ないもの(こと)を考えていると、今、あるもの(こと)が考えられない。
人間の心のつくりが、そのようにできている。
ないものとは、自分が手に入れていない素敵なもの。
手に入れていないお金や美貌や仕事や恋人や賞賛が欲しいなあ、と考えているとき。
それに、自分が手に入れていない恐ろしいもの。
自分の身にまだ起きていないけれど、貧困や大病や孤独や別離や失恋が起きたらどうしよう、と考えているとき。
どちらも、今、ないもの。
ないものを思っていると、あるものが遠のく。
あるもの、あるもの、と呪文のように唱える月曜日。