自前服

妹の家には、家猫と外猫がいる。
飼い猫一匹と、近所の家を回っておやつをもらっている野良猫一匹。
妹の家もおやつルートに入っているらしい。
妹とふたりで縁側(網戸越し)に座ると、さっそくおやつを期待して外猫がにゃーん♪と網戸前に飛来。
家猫よりも外猫のほうが、おでぶちゃんである。
網戸の網面を前足の肉球でおやつ、おやつ、と催促パンチをしておねだり。
義弟がこの外猫を気に入っていて、義弟がおやつをあげているので、いくらおねだりされても、妹からはあげない。
「このコはえりまきを巻いていて、ソックス履いているの」と、妹が解説。
すなわち、首周りと足が白いコである。
ちなみに、家猫はトラ柄のコである。
猫は服を着なくても、じゅうぶん魅力的な自前服を持っているのである。
猫に限ったことではなし。
糸井重里氏の愛犬ブイヨンちゃんみたいに、背中にお月さまをのせているコもいるし。
人間は服を着なくてはならなくて、服は流行をのせている。
じぶんの中に、自前服を持っている人は、流行服と関係のないながれですすんでいるんじゃないかなあ、と思う。
バーゲンで服を物色してみたものの、ここ数年の洋服のシルエットの太め・長め変化で、新しいボトムを一着買うだけで、全体のバランスに変化を及ぼし、結局ジャケットもコートも買いなおしだ・・・と気がついたこの冬。(買わずに終わった)