ビジネス(書)的

大きな書店に行くと、「ビジネス書」が一フロアを占めているくらいなのだから、ビジネス書の読者は多いということなのだろうか。
私はあるとき、ビジネス書に書いてあることって、方法だけなんだよな・・・と思ってから、ほとんど手を出さなくなった。
たとえば、効果的な講演や話し方やプレゼンテーションの仕方というビジネス書があるとすると、観客とこういうふうに目をあわせるとか、所作はどうするか、とか、いいまわしはどうするか、とか、ポイントを3つにまとめる、などの「方法」が記してある。
どんな内容を話すかについては・・・ほとんど書かれていなかったりする。
たぶん、いい内容だったら、すごい内容だったら、見せかたの方法に凝る必要はない。
ふつうの内容を、ふつう以上に見せるために、方法に凝る必要があるんだ。
内容そのものをふつう以上にせよ、というテーマは、ビジネス書の取り扱い分野ではないのかも。というか、相反するテーマかも。
・・・ビジネスって、そういうこと?
いや、「ビジネス的」と「ビジネス書的」は、ちがうかも。
ふつうの内容を、ふつう以上に見せることが、「ビジネス書的」で、それは、てっとりばやくお金になることを期待している。
内容そのものをふつう以上にするには、お金になるまでにとても時間がかかったり、大きなお金を生むとも限らなくて、「ビジネス書」的とはいえない。でもそういうビジネスもあるかもしれない。
しばらく前に、日本の大学は実学オンリーにすべき、という意見をあげた官僚がいたと思う。
これは、ビジネス的より、ビジネス書的にしろってふうにも聞こえるなあ。
もしわたしが会社の打ち合わせで、なにかの拍子に、それは、ビジネス書的です、と反対しても、は?っていわれそうだなあ。