春琴

先月あった、東大生の逮捕の事件に伴って、過去の類似罪の「スーフリ」や慶大医学部生の事件を思い出して。
こんなふうに、一部の男子の、女の子のとらえかたが、おかしくなっているんだったら、狂っているんだったら。
通りすがりに女の子の容姿を批判していく行為は、似た土壌から現れた自然な現象かもしれない、と思う。
受験勉強は、頭は良くなるけれど、人間が良くなるとは限らない。
大学の勉強もそうか??と我が身をふりかえると。
国文学専攻だったせいか、古事記、平安文学、漢文、和歌、江戸文学、明治文学、ひととおり全部教え込まれたなあと思って。
そうか、文学や小説は、頭より人間を良くしてくれるかもしれない・・・と、思う。
小説というのは、起承転結のあるエンタティメント小説じゃないやつね。
読み込むのに、忍耐力がいる。漫画や映画よりずっと。
でも、学歴の分野で勝利するためには、まず人間を良くするより頭を良くするほうがさきなのか。
理系の分野にすすんじゃったら、余計に、文学を読むヒマなんて、ないか。
わたしとて、大学を卒業しちゃったら、忍耐力が少なくてすむ映画やエンタティメント小説やエッセイのほうにばかり手を伸ばしてきた。
ちょっと忍耐力をつけてみようかと、昨夜突如、「春琴抄」を読む。(読んだことがなかった。「細雪」「痴人の愛」「文章読本」は、読んだんだよ。と、じぶんフォロー)
春琴と佐助が、雲雀を放すシーンの、視覚的豊かさに、絶句する。