幸せの道、成功の道

成功する道と幸せになる道はちがうよ、と聞いて、納得する。
成功するというのは、大金を稼ぎ出したり世界的に有名になるようなレベルではなくて、ものすごく努力しているわけでも、苦しんでいるわけでもないのに、人より上手に出来てしまうレベル。
組織の中で、仕事を割り振られるときは、この成功する道に従っていく感じだ。
その人にまかせると、上手に出来てしまう仕事があると、その人のところに、その人が上手に出来る仕事が集まってくる。
でも「その人が上手に出来る仕事」が、多くの人の賞賛の的や、欲望の的になるような仕事だった場合は、そうはならない。誰かがもらっていこうと、奪っていこうとするから、その人より上手に出来ない人も、その仕事をしていたりする。
賞賛の的にも欲望の的にもならない仕事だった場合は、誰ももらいにこず、奪いにこない。
その人のところにその仕事はやってくる。集まりつづける。
でも、その人は、その仕事が上手にできるからといって、成功の道にあるからといって。
幸せとは限らない。幸せになること、幸せと感じることは、まったく別のことだったりする。
成功の道は、幸せの道とは限らない。
ところが、幸せとは限らない成功の道を、てくてく毎日歩んでいると、自分ではなく他の人を幸せにしていることがある。
上手にやってくれてありがとう!と他の人が幸せになっている。
成功の道だから、それなりにオカネも入ったりする。幸せというわけではないけれど。
成功と幸せのふたつの道を、ブレンドした道を、てくてくと歩み、ときに駆け抜け、スキップをして、転び、倒れ。
そうやって生きるようになっていくことが、必要かもしれない。
幸せだけの道、成功だけの道は、どこかで途切れてしまう気がする。