岡田斗司夫FREEex「オタクの息子に悩んでます」 を読む〜その2〜

「その1」からの続き。
思考ツール:フォーカス
どうやら私の悩みは、ブスと言われたときの心の苦痛を減らす方法に、焦点を合わせればいいらしい。
となると、具体的には、どんな方法があるのだろうか?
うーん。
例えば、私は基本的に犬好きなので、以前、散歩中のすごく機嫌が悪いパグが脚にぶつかってきたときも、可愛い〜と思わず笑ってしまっただけで、不快感も、怒りも、みじんもわいてこなかった。
その感覚を持てばいいのかな。
こどもや犬に、八つ当たりされたと思って、しょうがないコ(中年・老人の男性のときもあるけど)〜って笑えばいいのか。
まるで聖女のようだが、ブスと言われる一期一会が、聖女修行だと思えばいいのか。
・・・・・・・。
なんか、ひっかかる。
無理がある。
笑って受け流すたびに、笑顔がこおりついていきそうだ。
心を納得させていないから、嘘の笑顔がつくるのが上手になっていくだけだ。
いくら笑っても、たぶん心の苦痛は減らない。
思考のアレンジ:相談された悩みの主が、自分の大切な人だったら?
もしも、私に娘がいて、その子に、通りすがりにブスって言われる〜って悩みを相談されたら、私は「笑ってなさい、聖女になりなさい」って、アドバイスできるだろうか?
ブス度メーターを説明して、年とともに、どんなに努力したって、0に近いゾーンに移動するんだから、と説明できるか?
できない。
できない。
その答えには、愛がない。
「大切な人からの」悩みに答えるんだったら、というアレンジをしたとたんに、岡田斗司夫の言う「愛」ある答えであること、の必要性が、染み入ってくる。
思考ツール:共感と立場
私が今、取り組んでいる悩みは、他人の悩みではなく、自分の悩みである。
だから、この思考ツールは、取り入れ済みも同然と思っていた。
悩みの主と、同じ温度の風呂に入って、共感し、徹底して、その人の味方になるという立場を持つ。
でも、悩みの主は自分だから、それは当然織り込み済みだしね、と思っていた。
あれ、でも。
悩みの主が、逆だったら、どうなるんだろう?
私にブスと言っていく、見知らぬ人たちの悩みを、その人になったつもりで、文章化してみる。
「僕は、ブスを見るのが苦痛です。今朝もすれちがったので、怒りがわいて、ブス!と伝えてやりました。
いっさい、ブスに会いたくありません。周囲にブスがいない、美人ばかりがいる場所で生きていきたいのです。どうすればいいでしょうか?」
って感じかな
まずはとりあえず、感じたままに答えてみる。
「あなたの求める、周囲にいるべき女性は、100点満点のうち、90点以上のゾーンに入る、「二十代の美人」ということでしょうか?
だとしたら、通常の女性の9割が、あなたが目にしたくない、会いたくない女性ということになります。
9割の女性に出会わないようにし、二十代の美人だけを目にする環境に、まずあなた自身が身を置かなくてはなりません。
まず仕事の場での、対策からです。
あなた自身が、経営者になりましょう。
あなたが仕事場に雇い入れる人間は、男性と、二十代の美人女性だけです。
この採用条件は、仕事能力など、他のいっさいの条件に勝る、最優先にして絶対条件です。
もちろん、仕事上の取引相手も、美人ではない女性ではいけません。
たとえ現状は二十代の美人でも、三十代になったら社員はクビを切り、取引先との契約も終了するか、別の担当者(男性か、二十代美人)に変更してもらいましよう。
移動手段は、もちろん、公共の交通網を使ってはいけません。
電車内には、不特定多数の女性がのりこんできます。
女性専用車両はあっても、男性専用車両はありません。
鉄道会社に働きかけて、男性専用車両もつくっておいてもらったほうが、いいかもしれません。
移動手段は、運転手つきの専用車を使い、運転手は、男性か、二十代美人です。
あなたが運転したら、車外の風景を目にしていなくてはならないからです。
おわかりですね? 車外には、美人ではない女性がたくさんいるのです。
飛行機はプライベートジェットを、新幹線は、一車両まるごと、貸切りましょう。
あなたの視界にブスが目に入ったら、苦痛状態に陥るのです。そのくらいのコストはさかなくてはなりません。
買い物は、ネットか、外商です。もちろんあなたの外商担当者は、男性か、二十代美人限定です。
次は、家庭と私生活における対策です。
あなたの親きょうだい、親族、友人は、男性と、二十代美人に限定しなくてはなりません。
それ以外の人間とは、縁を切りましょう。
妻はもちろん、二十代美人です。三十歳になったら、離婚しましょう。
もしも娘が生まれ、娘が美人になる見込みがなさそうであれば、早めに養子に出しましょう。」
・・・・・・実は、この回答、書いていてすごく楽しかった。私って性格悪い。いやあ、この悩みの主、忙しくなりそうだなあ。
しかもまさに、私、この悩みの主に、共感ゼロ、味方になるという立場もゼロで、答えてたね。
なるほど、悩みの内容を問わず、悩みの主に対して共感を持つこと、味方になることが、どんなに難しいことか、すっごく、よくわかった。
まず分析から。
悩みの主は、なぜブスと、言いたくなるんだろう?
ブスと言うことで、苦しみが軽減されるからか?
自分に苦痛を味合わせたもの(ブス)への、報復なのか?
こんどはこの方向で、考えてみることにする。
→このつづきは、「その3」で。