怖い本

先月、「FBIプロファイラーが教える危ない人の見分け方」を、ひきあいに出される数々の犯罪事例の凶悪っぷりに慄きながら読む。
偏見かもしれないけれど、残虐度から言ったら、日本人よりアメリカ人のほうが、はるかに上を行く人種じゃないだろーか。というより、残虐さを育てちゃう環境なのではないだろうか。
著者は犯罪者に向かい合ってきた経験をもとに、危険な人格を以下の四つに分類している。
「私が世界の中心だ」<ナルシシスト
「好き、嫌い、でも愛して」<情緒不安定>
「誰も、何も、信じない」<パラノイア
「すべては俺のためにある」<プレデター
この四つのうち複数の要素をもつ犯罪者も、ざらにいるとか。
多々の犯罪事例の中で、私の恐怖感が一番強かったのは、拉致監禁系の犯罪だった。
少女や若い女性(ひとりではなく複数の場合も)を拉致して、自宅に監禁し、性暴力を加え続ける犯罪者たちの多いこと。(ときには二十年以上も)
凶悪犯罪のオンパレードのアメリカの犯罪史の中でも、二大犯罪者的な扱いだったのが、テッド・バンディとチャールズ・マンソン
どちらも許しがたい犯罪者だけれど、個人的には、自分で手にかけたバンディより、自分ではなく他者(「ファミリー」と呼んだ、とりまきの女たち)に手にかけさせたマンソンのほうが、より許せないなあ。
自尊心の満たし方には、さまざまなかたちがあると思う。資産とか仕事とか趣味娯楽とかコミュニティとか。
それらが手に入らない、または満足できない者が、最後に向かう自尊心の満たし方が、他の人間の所有、他の人間の心の所有なのだろうか・・・。
ちなみに、著者が提示した、危ない人たちへの対処の仕方は、要約すると、これ。
早く逃げろ。
対峙しようなんて、改心させようなんて、思っちゃいけない。関りを断ち、逃げるしかない。
本には、危ない人を見分けるチェックリストも提示されているけど・・・ちゃんとチェックできるかどうかは、あとは自分のセンサー次第だもんね。