年齢と服

今月上旬、新宿伊勢丹で、23区のストライプシャツが気に入って、買った。
先週、23区の売り場の前を通ったら、同じストライプシャツを手に取っている人がかなり大勢いて、そのうちの半分以上が、シルバー世代だったので、ちょっと驚く。
なんとなく複雑な気にもなる。
自分の服の選択が、渋すぎたのかと不安になって。
売り場には、車椅子のおばあさまもいて、23区のボーダーのカットソーを購入していた。
新宿伊勢丹のリアルな売り場を見る限り、23区の服は、シルバー世代をつかんでいる。
ショップの垣根のほぼない新宿伊勢丹ゆえ、シルバー世代のお客は、23区の両脇の、ナチュラルビューティとイネドの売り場にも侵出。
三つとも、アパレル側が想定しているターゲットの顧客年代は、二十代〜三十代のはずだ。
かくいう私だって四十代だから、本当はターゲット外に入るだろう。
売り手側の思惑からはずれた、大人世代のこの選択の理由は、なぜだろう。
私自身の23区のシャツの選択理由は、デザインと品質と価格が、納得できるものだったから。
基本的に、ベーシックで上品なデザインなんだよね。
私の年代を想定した、オンワード樫山のブランドは、おそらく自由区だろう。
たしかに私、ボトムスは自由区のもののほうが好きだ。
しかし、トップスとなると、自由区のデザインはゆったりシルエットが多くて、身体のシルエットにつかずはなれずが原則の、グレースタイプのデザインとは相反する。
23区だと、つかずはなれずなデザインのトップスが多い。
したがって、私の選択はトップスが23区、ボトムスが自由区、ということにおさまる。
と、いうことは。
シルバー世代も、トップスはふんわりやビッグシルエットよりも、ストレートに近いシルエットで、ベーシックで上品なデザインを好むということ?
そういえば、一、二年前から、私の母(71歳)が時折、私が着ている服を自分も欲しがる現象があるんだよなあ。
自分がグレースタイプであるとイメージコンサルティングで診断される前は、もっとフェミニン系な服を着ていたけれど、その頃はそんな現象は皆無だったのになあ。
ベーシックで上品な服が、シルバー世代でもOKっていう点では、持続性のあるファッションなのかもしれない。
しかし、今四十代の自分としては、六十〜七十代の方々と服装がかぶるのは、できれば、少なくしたい気も。
スカート、かな。
さすがに母も、デニムかパンツ一辺倒なので、私のトップスは欲しがっても、スカートを欲しがることはない。
春に23区のストライプシャツを着るときは、なるべくスカートもあわせるようにしてみよう。
ふと、私が気にする「他者と服装がかぶる」という点について、ほぼ気にしない人々がいる、ということに気がついた。
その気づきには、別のところからのヒントがあったのだけど。
その話は、また後日に。