寒い国では生きていけない

今週のお題「私の冬支度」
先月、風邪をひいた。
気温の変化に慣れていないせいだろうと思っていたら、今週また風邪をひいてしまった。
寒さ対策をしなければ!とあせる気持ちがあったためか、珍しい買い物をした。
しかし、その買い物の結果は失敗だった。
きっかけは、福田栄華の二冊の著書「スタイリストが本音で語る大人のおしゃれ再入門」「スタイリストが舞台裏を大公開!大人の着こなし再入門」を読んだことから。
著者の「おしゃれセオリー10か条」の第一条は「服は消耗品。安くて構わない。」というものである。
うん、確かに!と大きくうなずいた。
誰がこの価格出すの?ってくらい高価な服やアイテム(ばかり)を勧める、雑誌やスタイリストの著書はあれども、「ユニクロ」「しまむら」も駆使した、大人の女性のための激安コーデを紹介した本は、珍しいのではないだろうか。
安価な服でも、小物によってぐっとおしゃれ度を増す、福原栄華のコーデは、見ているだけで楽しめる。
しかし、幸か不幸か、グレースタイプの私は、ストールや目立つベルトや大ぶりのアクセサリーや、アニマル柄などが使えないので、そのままコーデを取り入れることはできない。
なので実用としては、ほぼあきらめて、教養と娯楽として、本の中身を楽しむことにする。
しかし、ある小物に、魅入られてしまった。
それは、ミンクのストール。
フリンジが丸々と太っているのが可愛くて、見た目も上品で、素敵である。
ミンクといえば、超高級品というイメージがあるけれど、福原栄華によると、今ミンクは安くなっていて、ネットなどで3万円未満で購入できるとか。
著書のコーデに登場したミンクのストールは、十年前に買ったものを現在も使用とある。
さっそく、ネットで検索。15750円の、良さそうなミンクのストールを見つけて、自分のパーソナルカラーにあった色を選んで、購入を申し込んだ。
一昨日の夜、届いた。
透明な袋ごしに見た感じでは、想像どおりで、封を開けて手を袋の中に入れ、触れてみたら、その手触りも、すべすべで、ああリアルファー、とうっとりする。
しかし、袋からストールを取り出したとたん、いきなり咳がこみあげた。
空中に、わずかな、細くて短い毛が舞うのが見え、喉がむずむずし始める。
これは!と脳裏によぎるものがあって、即、ミンクを袋に戻した。
この症状。私が持っている、猫の毛アレルギーと同じだ。
どちらかといえば犬派だけれど、猫もじゅうぶん可愛いと思っているのに、私は猫の毛アレルギーだ。
体質なのだから、しょうがない。
不思議なことに、犬や鳥だとアレルギーは起こらない。
小学生のころ、常時平均5匹の飼い猫がいる、猫好きな友達の家に遊びに行くと、鼻水が止まらなくなり、まぶたが赤く腫れだす状態になるため、猫の毛アレルギーだと自覚した。
しかし、猫の毛アレルギーだなんて言ったものなら、絶交されかねない、猫愛に満ちた友達には、言えずじまいだった思い出がある。
ネットでちょっと調べてみると、猫の毛アレルギーと同様、ミンクの毛アレルギーも、存在するとのこと。ああ、やっぱり。
というわけで、私は、試し巻きすることさえなく、30秒ほど手にとっただけで、ミンクのストールを袋に戻し、返品したのである。
でも、自分にミンクアレルギーがあるなんて、経験しないと解らなかったことだ。
どんなに高級で羨望の品とされていても、私にとって、ミンクは無縁の品であることが、確定した。
無縁どころか、ミンクのコートなんて、私には絶叫モノの品である。
そういえば以前、ある駅のホームで、電車が来るのを待っていたら、眼下に、杉の木立がひと群れあって、その手前に一軒だけ、ハイツが建っていた。
そのハイツの名前のプレートが見えた。
「杉の子ハイツ」という名前だった。
花粉症の人には絶叫モノのハイツだな…と思った。
アレルギーがあるという点で、私、毛皮のコートが必要なほどに寒い土地では、生きられないかもしれないなあ。
アウターでだめなら、インナーで防寒を考えたほうがいいかも。
しかし実は、ヒートテックも、肌触りに違和感があって、苦手なのである。
そこで、ワコールが発売している「天綿」という防寒インナーを、本日購入。
このインナーは、75%がコットンなのだ。使用感は、また後日。
さて、防寒対策をあれこれ練っていたら、ふと、昨年は全く風邪をひかなかったことを、思い出した。
何で今年は、風邪をひいちゃうんだろう?
老化といえばそれまでだが。
昨年やって、今年やっていないことって何だろう?と考えてみた。
ひとつ思い当たったのは、昨年はデロンギのオイルヒーターを、早々と11月上旬から、使用開始していたことである。
オイルヒーターは、エアコンのように風が生じることもなく、電気ストーブのように局所的にしか暖めないわけでもなく、ガスや石油ストーブのように、においや、空気の入れ替えを必要とすることもない。
室内全体を、マイルドな暖かさで包んでくれる暖房器具で、とても気にいっているのだが、電気代が高くつく。
だから、恐ろしくて最大のワット数にしたことは一度もなく、半分のワット数で使用して、着るものを暖かくして、調整している。
日本よりずっと寒いヨーロッパでは、室内暖房といえば、オイルヒーターが定番で、それが可能なのは、電気代が安いからなんだそうだ。
というわけで、出遅れたが、昨日、オイルヒーターもひっぱりだした。
もしもこれからの冬中、風邪をひかずにすんだら、オイルヒーターの効果だと思うことにしよう。